オフィスビル内の既存コンクリート壁に、新たなコンクリートを打ち増して壁の厚みを増やす「増し打ち壁補強工事」を行いました。
建物が地震の揺れに耐える力は、壁の強さに大きく左右されます。壁が薄いままだとその力が不足しがちですが、壁を厚くすることで地震の力をしっかり受け止められるようになり、建物全体の耐震性が高まります。
施工年:2023年
「壁を厚くするだけで、なぜ地震に強くなるのか」その仕組みと特長を図でご説明します。
なぜ強くなるのか ―「壁を厚くして受け止める」
地震の横揺れを受け止める役割の多くは、建物の「壁」が担っています。柱と梁だけでは横方向の力に粘れても、揺れを正面から受け止める強さは壁の量と厚みで決まります。壁が薄い・少ない建物は、地震の力を受け流しきれず、変形や損傷が大きくなりがちです。
地震の横揺れに建物が耐える力を「水平耐力」といいます。薄い壁ではこの力が不足しがちです。増し打ち壁補強は、既存の壁に鉄筋コンクリートを重ねて厚くすることで、壁が地震の力をしっかり受け止められるようにし、建物全体の水平耐力を高めます。
増し打ち壁補強は、ただコンクリートを重ねるのではなく、あと施工アンカーで既存壁と新しい壁をつなぎ、打ち継ぎ面を目荒らしして一体化させることです。2枚の壁を「1枚の厚い壁」として働かせることで、はじめて設計どおりの強さが出ます。
増し打ち壁補強の2つの特長
① 建物の「強さ(水平耐力)」を直接高める
多くの実績がある標準的な補強方法で、不足している耐震性能を確実に補えます。
② 既存の壁を活かせる
壁のない場所に新しく壁をつくる工法にくらべ、既存の壁を厚くするため、間取りや開口部の配置への影響を抑えやすい傾向があります。
こんな建物・ケースで有効です
・既存の耐震壁はあるが、壁厚が薄く耐力が足りない建物
・短手方向など、補強できる壁が限られる建物 … 内側の壁を活かして耐力を補えます。
・間取りや外観を大きく変えずに耐震性を上げたい場合