【耐震補強】スリット工事

地震の揺れによって柱や壁が破壊されないように、柱と壁(または壁どうし)の間にスリット(切れ目)を入れて縁を切る耐震補強工事(スリット工事)を行いました。壁を厚くしたり鉄骨で固めたりする補強とは逆に、あえて隙間を作ってそれぞれが自由に動けるようにすることで、建物本来の「しなやかさ」を取り戻します。 

施工年:2023年

施工の様子
耐震補強工事例2施工様子
施工中

腰壁に幅約3cm・深さ約10cmの切り込みを入れているところです。表面の飾りではなく、コンクリートに奥行きのある溝を入れて、壁と柱の縁をしっかり切ります。

耐震補強工事例2施工後
施工後
スリットの隙間に緩衝材を挟み、表面は防水シーリングで仕上げます。雨水の浸入を防ぎながら、地震の際には柱と壁がそれぞれ自由に動ける状態を保ちます。仕上がれば、外観はすっきりした一本の目地にしか見えません。
地震の力を逃すスリット工事の仕組み
スリット工事例
スリット工事例1
補助金のプロたすかる博士イラスト

「うちの建物は大丈夫?」 スリット工事が必要になる壁と仕組みを、図でわかりやすく解説します。

スリット工事が対象となる壁

柱にがっちり密着した下記の壁類が危険です。
・腰壁 ・垂れ壁 ・袖壁

なぜ危険なのか ―

「短柱(たんちゅう)」が生まれる

窓の上下に垂れ壁・腰壁が密着していると、柱の“動ける部分”が窓の高さ分だけに短くなります。短くなった柱には地震の力が集中し、粘りなく一瞬で折れる「せん断破壊」を起こします。これが建物倒壊の大きな原因です。スリット(切れ目)を入れて壁と柱を切り離すと、柱は本来の長さでしなり、揺れを受け流せるようになります。 袖壁の場合も同じです。袖壁は柱の脇に密着し、柱を横から突っ張って自由な動きを妨げます。拘束された柱は地震の力を受け流せず、やはりせん断破壊を起こしやすくなります。柱との境目にスリットを入れて縁を切れば、柱は拘束から解放され、しなやかに動けるようになります。

垂れ壁・腰壁の例

スリット工事例2
スリット工事例2

袖壁の例

スリット工事例3
スリット工事例3

スリット工事の2つの効果

① 致命的な「壊れ方(せん断破壊)」を防ぐ
柱がしなって揺れを吸収できるようになり、急激な崩壊を防ぎます。

② 見た目を大きく変えずに補強できる
壁に切れ目を入れるだけなので、間取りや外観への影響を抑えながら耐震性を高められます。

こんな建物は要注意

① 1990年代前半までの建物
新耐震(1981年5月以降)の建物でも、安心とは限りません。旧耐震はもちろん、新耐震移行した後でも「図面にあるのにスリット未施工」「施工不良で機能していない」ケースがあります。

② 窓が多いマンション・ビル(ラーメン構造)
窓の上下に腰壁・垂れ壁が並ぶ間取りは、壁が突っ張り棒のようになって柱の動きを妨げ、地震時に力が集中しやすくなります。

まずは耐震診断から

スリットが必要か、また十分に機能しているかは、外観だけでは判断できません。新日本エントランスでは専門技術者による耐震診断を実施し、診断結果に基づいた補強プランをご提案します。

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耐震補強工事例3施工後

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