住まい:都内の分譲マンション
家族構成:現在は夫と二人暮らし。子どもたちはそれぞれ自立。
最近の悩み:築44年・旧耐震基準で、1階が駐車場になっている「ピロティ構造」のマンションに住んでいる。マンションの理事が回ってきたことをきっかけに、最近の地震の多さから建物の安全性が気になっている。
なぜ「旧耐震ピロティ」のマンションは地震で崩れやすいのか?構造的な危険性を解説
たすかる博士、相談に乗ってください。うちのマンションは築44年で、1階が壁の少ない駐車場、いわゆるピロティ構造になっています。ネットで「旧耐震のピロティは地震で崩れやすい」と書かれているのを見て、不安になってしまいました。1階が駐車場のマンションは、地震で倒壊する可能性があるのでしょうか。最近は各地で大きな地震も多く、とても心配です。今年、理事が回ってきたのですが、耐震補強など管理組合で何かできることはないでしょうか。
それはご不安ですね、Bさん。築44年ということは、1981年5月以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の建物である可能性があります。おっしゃる通り、ピロティ構造は壁が少ない1階部分に地震の揺れが集中しやすく、大地震の際に1階が押しつぶされる危険性が指摘されています。
2016年の熊本地震では、同一地域で2度の震度7が観測されるという異例の事態となりました。この際、複数のピロティ構造の建物で発生したのが「層崩壊」です。1度目の揺れで建物を支える柱が損傷し、構造を支える力が大きく低下しました。そこへ追い打ちをかけるように2度目の本震が襲ったことで、1階のピロティ部分が押しつぶされたケースが見られました。
1階部分が壁の少ないピロティ構造になっているマンションは、地震時に建物全体で揺れを分散しにくく、「剛性の偏り」、つまり建物の硬さのアンバランスが生じやすくなります。
本来は建物全体で受け止めるべき地震のエネルギーが、耐力壁の少ない1階の柱へ集中的にかかってしまい、最悪の場合、柱が建物の重みに耐えきれず、倒壊につながるリスクがあるのです。
このリスクは、1階が駐車場になっているケースだけではありません。1階から2階部分にかけて吹き抜けのエントランスになっていたり、壁の少ない開放的な店舗スペースになっていたりする設計でも、同様の注意が必要です。
このように、地上1階または2階の壁が著しく少ない建物で、耐震診断の結果、Is値(構造耐震指標)が0.4未満と判定された場合、震度6強から7クラスの大地震が発生した際に、その階が押しつぶされる「層崩壊」を起こす危険性が高いと判断されます。
倒壊のリスクを避けるためには、どうしたらいいのでしょうか。せっかく理事になったので、皆さんに提案したいと思っています。
素晴らしい心がけですね。マンションの改修は、まず理事会で情報を共有し、区分所有者の皆さんと合意形成を図りながら、一歩ずつ進めていくことが大切です。
具体的な対策としては、柱を太くするなどの耐震補強を行い、建物の強度を示す「Is値(構造耐震指標)」を0.4以上まで引き上げることで、大地震による倒壊のリスクを大きく下げることができます。
実は今、東京都ではピロティ構造のマンションを対象に、「命を守るためのピロティ階等緊急対策事業」という非常に手厚い補助金制度が用意されているんですよ。
令和8年度は最大1,750万円の補助金!東京都の強力なサポート体制
東京都がピロティ構造のマンションを「大地震時に倒壊リスクが特に高い建物」として重視しているのは、それだけ対策が急務だからです。 そのため、補強設計や補強工事に対して、国や都が支援する手厚い補助金制度が整えられています。
- 旧耐震基準で建てられた分譲マンション
- 1階または2階の壁が著しく少ないピロティ階などを有する建物
- 耐震診断の結果、Is値(構造耐震指標)が0.4未満と判断された建物
補強設計と補強工事を合わせて、最大1,750万円まで補助されます。補助率は、対象経費の2分の1です。
令和8年度の受付は、4月16日から始まっています。受付期間は令和9年1月15日までですが、予算に達すると締め切られる可能性があります。検討を始めるなら、早めに動くことが大切ですよ。
それは早めに動いた方が良さそうですね。最大1,750万円もの補助が出る可能性があるなら、管理組合の話し合いも前向きに進みそうです。でも、耐震補強といっても、実際にはどのような工事をするのでしょうか?
ピロティ構造の場合、1階部分の強度が低くなっていることが多いため、そこを重点的に補強します。例えば、柱を太くする「巻き立て補強」や、壁を増設する補強工事などが考えられます。
こうした補強により、Is値を0.4以上まで引き上げ、倒壊のリスクを軽減したケースもあります。東京都の助成金を受けるためにも、この「Is値0.4以上」という基準をクリアする設計が非常に重要になるんですよ。
耐震診断・耐震補強のお問い合わせは「新日本エントランス」へ
なるほど、では具体的にどう動けばいいのでしょうか?
その点はご安心ください。大規模なマンションの設計や工事監理には、法令上、一級建築士などの専門的な資格や知識が必要です。
新日本エントランスには、一級建築士、構造設計一級建築士、構造判定員が在籍しており、これまで数多くの集合住宅や商業ビルなどの耐震診断・耐震補強設計、補強工事を行ってまいりました。
専門知識が必要なプロセスも、一貫してお任せいただけます。
まずは、お住まいのマンションのピロティ構造が補助金対象になるかどうかのご相談や、簡易診断を承っております。また、補助金申請のサポートにも対応しておりますので、安心してご相談ください。
- お問い合わせ・ご相談
- 現地調査
- 耐震診断
- 耐震補強設計
- 施工方法・時期の決定
- 着工
このように、現状の確認から実際の補強工事まで、スムーズに進められる体制が整っています。まずはプロの目で建物の状態をしっかり見極めることが、安心への第一歩です。
まとめ:理事としての第一歩を
ありがとうございます。私たちの命を守るために、東京都が補助をしてくれる制度があるのですね。理事として何をすべきかが見えてきました。
補助金という力強い味方があることを、次の理事会で伝えてみます。
素晴らしいですね。そこに住む方々の命を守ることは、管理組合にとって最も重要な役割の一つです。 安心・安全な暮らしのために、補助金制度が充実している今のうちに、ぜひ一歩踏み出してみませんか。私たちが全力でお手伝いいたします。
補助金を活用して
ワンランク上のリフォームを
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【令和8年度】命を守るためのピロティ階等緊急対策事業